室戸岬の早春
平成16年2月14日
 室戸岬は高知県の東部に位置し、沖合いを黒潮が流れる温暖な半島で、
漁業資源が豊富でかっては、クジラも捕獲されていました。
近年は、海洋深層水の汲み上げで有名で近くに工場、研究所があり
今後の医薬品、飲料水、食品製造、栽培漁業と活用分野を模索している。
 地質学的には、沖合いに南海トラフが存在して南海地震の震源域として
注目され、地質構造の調査、海底の掘削等が実施されています。
 この一帯は、約2400万年前に海底堆積した、泥岩と砂岩の互層(タ−ビダイト)
からなり、地殻マントル起源と推定されるハンレイ岩の露頭があり、半島
の生成過程が興味深い。近年はメタンハイドレ−ドの調査も進められている。
砂岩泥岩の互層とハンレイ岩の露頭
室戸岬の特徴ある地形 上部は段丘で平である。
山腹は、照葉樹林が生い茂り黒潮と風と太陽により
室戸岬の独特の風景をなしている。
前方には、弘法大師が修行したとされる洞窟がある。
当日は、春一番の風が吹き荒れ、波浪も高く男性的な海岸美を呈していた。

押し寄せる波涛

早春の室戸岬の海岸と山と空(早春の光に溢れている気がする。)
近くのお寺には、お遍路さんが真剣に参拝していた。
 
手前の磨耗された岩体はハンレイ岩(斜長石と角せん石から構成)と泥岩
泥岩は構成物がチャ −トを含んでおり非常に硬く、圧力を受けて破砕され
かつ部分的に硫化鉄を含んでいる。SとFeの成分があることは生成過程に
原因があると思われる。
 
行当岬の海岸でh/L>0.5を越えていた群波(うねり)が、水深が浅くなり砕波している様子。
hは水深  Lは波長である。浅水域の波の速度は、Cg=√gL/2π 
波は複雑な自然現象で、条件が異なると別の公式を使用しなければならない。
沖波は、風に支配されやすく波高が10m以上になることもある。