横倉山の魅
力について
高知県の横倉山は、地質学的に貴重なシル
ル紀(4.4億年前)の化石を含む石灰岩の露頭
が見られ
ます。この石灰岩には、クサリサンゴ、蜂の巣サンゴ、筆石、三葉虫等の化石が
発見され
ます。日本列島で化石として発見される最古のもので学術的に貴重な山です。
現在の地質学は、日本列島は
超大陸ゴンドワナの一部の地塊であったと判断しています。
理由は、
古地磁気、化石のデ−タ−、チャ−ト、火山岩、花崗岩の年代を総合的に判断して
結論づけ
られているようです。 『平朝彦』氏の 日本列島誕生 岩波新書より
更には
花崗岩の露頭、グラニュライトといわれる地殻20kmから30kmで形成された変成岩
や、塩基
性岩石が変成したじゃ紋岩等が小岩体としてバラバラに分布しています。
四万十
帯の生成された付加体の理論に基づいて解釈すれば、マントルの沈み込みの過程で
メラン
ジュの状態になって形成されたと理解すればと思います。その他の説として、左横ずれ運動との
指摘もされています。
定説によ
れば、大陸移動による原因も考えられますが、気の遠くなるような話です。
桐見ダム
上流部の横倉山の山麓にデボン紀(4.16億年〜3.67億年前)の植物化石の鱗木
が産出す
ることでも有名です。世界では、オ−ストラリア、南中国、南アフリカ、北アメリカ、
シベリア等の上部デボン系から続々と発見されつつあります。
地質学
のこれからの事実解明を期待すると同時に、地球のplateの移動の事実を知る。
現在は、山そ
のものが急峻で南は石灰岩の露頭が発達して、断崖絶壁となっています。
北側は比較的
緩く、上部は天然林と杉の巨木も保存され良好な自然環境が残っています。
かっては、
牧野富太郎博士が植物の研究をされた山としても有名です。
現地を訪問し
たのは、平成15年3月23日です。
馬鹿 試し(横倉宮)より見た横倉山
眼下に見る桐見ダム(発電、治水、利水)
横倉山の三角点付近に見られるアカカシ
中腹の南斜面で見つけたキブシ
馬鹿試しに露頭しているシルル紀の石灰岩
横倉山花崗岩に生育するイワマツ
三椏(山村の貴重な現金収入であった和紙 の原料のミツマタ)
照葉樹林帯によく見られる藪椿
今回の山行で一番印象に残った、山吹